個人でお願いする際や、同じ志で飛び込んだ方など、業界で使用されている特殊な用語についてわからないことがあるかと思います。

理解していただき安心して発注できるよう、業界用語について解説致します。

ア 行

アサガオ

ビル等の工事の時に、落下防止のために設置されている装置のこと。

アスベスト

アスベストとは石綿とも呼ばれ、天然鉱物繊維(繊維状に変形した天然の鉱石)のことで、建築材料としては「クリソタル」「アモサイト」「クロシドライト」の3種類が使用されています。
電気絶縁や、不燃性、耐久性など様々なメリットを持ち、1975年まで使用されて来ました。アスベストは非常に細かい繊維であるため、空気中に飛散したアスベストを吸引すると、肺癌や中皮腫などの疾病を引き起こす可能性が高くなり、社会問題に発展しています。

荒整地

解体後の地面を平たんにならします。
その後の利用方法の指示などがない場合基本的には荒整地が解体工事の最終形となります。

足場

解体工事の際に単管パイプを組んで建物を囲うもので、乗って作業しないのも足場と言います。
ホコリや破片の飛散防止や騒音対策の為の養生シートはこの足場に固定します。

RC造(アールシーゾウ)

鉄筋コンクリート造の建物。

S造(エスゾウ)

鉄骨造の建物のこと。

SRC造(エスアールシーゾウ)

鉄筋鉄骨造の建物のこと。

カ行

解体工事

家やビル、倉庫等、建物や内装を重機や人力で解体し壊す工事のこと。

火災現場

火事現場の解体工事は燃えているため安価だとお考えの方もおおいですが焼けているものはリサイクルできないことなど処分に費用がかかりるためです。
消防署で罹災証明を発行してもらうことでリサイクル費用を減免してもらえます。

ガラ出し

解体後のコンクリートガラ(ゴミ)搬出のこと。

基礎

家が傾いたり沈んだりしないように建物の荷重を偏りなく直接地盤に伝える役を担う建物の土台です。
土間床、ベタ基礎、深基礎などがあります。べた基礎や深基礎の場合、解体工事は時間を要します。

近隣対策の挨拶等

トラブルを避けるために非常に大切です。
解体工事は、どうしても騒音・振動・埃が発生しやすい工事になりますので、事前にご近所の皆さまに解体工事の報告とお願いに伺います。
解体工事担当者が行いますが、ご希望により施工主様にも同伴していただく場合があります。

掘削(クッサク)

工事現場を重機などで掘り削ること。

契約書・請負契約書

解体工事における契約書(または注文書・注文請書)はご自身を守る為の物になりますので、口頭や見積書だけのやり取りだけで発注せずに、契約書を取り交わす事をお勧めします。

建設リサイクル法

建設リサイクル法とは「建設工事に係る資材の再資源化に関する法律」の通称です。
平成14年5月30日から床面積80平方メートル以上の解体工事の際は発注者による工事の事前(工事着手の7日前まで)の届出や、業者から発注者への事後報告が義務づけられました。
これにより届出業者以外の業者では解体工事の施工は行えなくなりました。

現地見積もり

解体工事の見積もりは、現地見積りをお勧めします。
現地見積もりは無料ですし、地中埋蔵物でもない限り、正確な金額をはじき出すことができます。

工事の事前届出

建設リサイクル法により、一定規模以上の工事に関しては、工事施工の際に事前に届け出をする必要がある。

交通誘導員(ガードマン)

解体工事が道路の通行を妨げる場合、道路使用許可を取り、交通指導員を配置することが義務付けられます。

再資源化

建設リサイクル法により、分別解体した産業廃棄物を再資源化すること。

産業廃棄物収集運搬業許可

産業廃棄物の収集運搬を他人から委託を受け、業として行おうとする者は、業を行う区域を管轄する都道府県知事または保険所政令市長の許可を受けなければならず、その許可のこと。

産業廃棄物処分業許可

ここでいう処分業は、収集運搬業者が運搬した産業廃棄物を中間処理する施設のことをいい、中間処理とは、最終処分(再生を含む)に先立って 破砕・脱水・焼却・中和等により減量化及び無害化、安定化等を図ることをいいそれを行う施設が中間処理施設といいます。
中間処理施設のうち、処理能力が一定規模以上の施設は、法に基づく産業廃棄物処理施設としての許可が必要です。
その許可のことを処分業の許可といいます。

シート養生(シートようじょう)

工事物件の周りをシートで囲います。防音、防汚のためまた安全を保つ上でも効果があります。
※養生の項も参考にしてください。

敷地境界線

敷地と隣地、道路などとの境目を示す線のことを「敷地境界線」と言います。
建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた「建築基準法」では、「防火地域、準防火地域にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる」という規定に基づいた建築物以外には、「敷地境界線」の規定は設けられていませんが、民法では「境界線から50cm空ける」「境界線から1m未満の建物の窓には目隠しをする」「ただし、これらと異なった慣習のある時は、慣習に従う」という規定があります。
解体工事においては、敷地境界線上にあるブロック塀の処理で問題が起きやすいですが、隣人同士の話し合いで決めることが多いようです。

重機解体

重機を使って解体すること。

手解体

重機をつかって解体できない時に人力で解体していくことをいう。

スクラップ

鉄、鉄くずのこと。

スケルトン

建造物などの、骨組みのことです。
内装解体でスケルトンというとテナントなどの返却時に内装をすべて取りはらいます。

スレート

屋根に葺くのに使われていたり、内、外装などに使用されている石質の薄い板のことです。
粘板岩を薄くはいだ天然スレートと、人工の石綿スレートなどがあります。

整地転圧

重機で土地を踏み固めること。

セットバック

前面道路の幅が4m未満の場合、道路境界線から一定距離だけ後退させて建築することを「セットバック」と言います。
建築基準法第42条第2項で道路とみなされた「二項道路」では、その中心線から2mの範囲に建築することが出来ません。
なお、このセットバック部分に対しても固定資産税が掛かります。

タ行

建物滅失登記

建物滅失登記は、建物解体後1か月以内に行う登記のことです。
該当建物が存在しなくなった時に、法務局へ登記簿から建物が無くなったことを伝える手続きを行わなければなりません。
これを怠ると、10万円以下の過料に処されてしまったり、建物がないのに税金がかかってしまったりする場合がありますので、必ず行いましょう。
手続きについては、解体業者の代行およびお客様自身で行って頂く方法があります。

地中内障害物・地中埋蔵物

井戸や浄化槽など現地見積りではわからなかった解体対象物が出てくる場合があります。
申し訳ありませんが別途費用が発生します。
事前に分かっている場合は申告していただければ幸いです。

2×4工法

木造住宅の一種なのですが、解体費用は一般の木造住宅より若干高めになります。
外見では違いがわかりません、解体時に発覚した場合は追加料金が発生しますので事前に申告していただくことをお願いします。

手壊し

隣家との状況、建物の構造などにより機械での解体作業ができない状況では、手壊しとなります。
機械作業よりも工期がかかり、工事費も高めになってしまいます。

鉄骨造(S造)

躯体(建物の骨組み部分)に鉄製や鋼製の部材を使用した建物を「鉄骨造」と言います。
鉄骨造には主に「軽量鉄骨造」「重量鉄骨造」の2種類あります。軽量鉄骨造は軽量形鋼と呼ばれる鋼材で建物の骨組みを組み上げる建築物のことです。
燃えにくく、耐久力が高いだけでなく品質も安定しているので設計の自由度が高いことが特徴です。
重量鉄骨造は鉄骨自体がとても丈夫なので非常に耐久性が高いです。
軽量鉄骨造よりさらに設計の自由度があり、柱の本数が少なくして大きい空間のある建物も建築することができ、耐用年数も長いです。
軽量鉄骨造設計よりも自由度があるため、空間を利用した大きい建物を造ることもできます。

鉄筋コンクリート造(RC造)

「Reinforced Concrete」の頭文字をとり、このように呼ばれています。
鉄筋で骨組を作り、その周囲をベニヤなどの型枠で囲み、中にコンクリートを入れて作られるのが鉄筋コンクリート造です。
鉄筋はもともと火に弱く、錆びやすいという特徴がありますが、コンクリートと併用することにより、錆びを防ぎ、耐火性を上げることも可能となりました。
また、耐震性にも優れているため、6~7階建てマンションなどの中高層建築物に多く用いられます。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

「Steel Reinforced Concrete」の頭文字をとり、このように呼ばれています。
主要な構造体は骨組みを鉄骨、その周囲を鉄筋コンクリートで造り、そこに床や壁をはめ込んだ建物のことをいいます。
耐久性・耐震性は抜群ですが、重量がとてもあるので、基礎も大きくしなければなりません。
また工期、費用とも高価になるので、一般的には高層建築物などの建築する際に用いられています。
また解体費用も、その他の建築物のなかでも最もコストがかかります。

道路使用許可提出

解体工事中に作業車などで道路を使用し、交通の妨げになる場合、道路使用許可を警察署に提出しなければなりません。
この場合交通誘導員の配置が必要となることがあります。

坪単価

解体工事は、1坪に対しての単価×坪数でいくらかかるかという計算をします。

土間コンクリート(どまこんくりーと)

地面に砂利や砕石などを敷き詰めて、そこに直接コンクリートを打って作った床を「土間コンクリート(通称:土間コン)」と言います。
ひび割れ防止のために、鉄筋を挿入したり、コンクリートを少しずつ削って、整地の際に土を盛って高さを合わせることもあります。

ナ行

内装解体

家屋、マンション内、浴室、トイレ等の屋内の解体工事のことをいい、おもにリフォームをされる時に内装解体工事となる。

延べ床面積

建物の各階の床面積を合計面積のことです。
例えば2の建物で、1階の床面積が20坪、2階の床面積が15坪でしたら延べ床面積は35坪となります。
なお、吹き抜け部分やひさし、ポーチなどは延べ床面積には含まれません。

二項道路(みなし道路・狭あい道路)

建築基準法では原則として幅員が4m以上ないと消防車などの緊急車両が入っていけないため「道路」と認められません。
ただし、幅員が4m未満でも、建築基準法施行前から使われていた既存の道路で、行政から指定をうけた場合には、道路とみなされます。
また、道路の中心線から2メートル後退した線を道路境界線とみなせば、建物を建てることもできます。
建築基準法第42条第2項で規定されていることから、これを「二項道路」と呼ばれています。
また二項道路に接している敷地に建築する場合は、反対側の状況に応じてセットバックする必要があります。

ハ行

ハイプラ

廃プラッスチックのこと。

非飛散型アスベスト処理

アスベストの使用が確認されても非飛散型の場合、手壊しの工法でそれほど大規模なアスベスト対策を取らなくても工事が可能となります。

付帯工事

解体工事の「付帯工事」とは建物本体工事とは別の内容の工事をさすことが一般的です。
代表的な物は、残置物(不用品)、ブロック塀や外構、土間コンクリート、樹木、庭石、井戸、物置、浄化槽などがあります。

部分手壊し

隣家との状況、建物の構造などにより部分的に手壊しをすることです。

プレハブ

「前もって組み立てる」という意味の「prefabricated」を和製英語にし、このように呼ばれています。
柱、壁、床といった建築部材を、工場で生産し、現場で組み立てた建築物のことです。
また、安定した品質かつコストも安いのが特徴で、木質系、鉄骨系、コンクリート系といった材質があります。
工法的にも現場で組み立てるパネル方式と、立体的に組み立てたものを現場に据え付けるユニット方式の2種類あります。

分別解体

解体工事を施工している中で、産業廃棄物が発生しますが、その廃棄物を種別ごとに分別して工事をすることをいいます。(適正処理の実行)
一定規模以上の解体工事においては、工事により生じた建設資材廃棄物(副産物)を分別し、処理・再資源化する義務があります。
対象となる建設廃棄物は主に「木質ボード・木質チップ」等の建設発生木材、「路盤材・骨材・プレキャスト板」等のコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、コンクリートおよび鉄から成る建設資材があります。

分離発注

家を建て替える際、ハウスメーカーや工務店に解体から新築まで一括して発注せず、解体工事を直接発注すること。
分離発注することで大幅なコストダウンが期待できますし無駄なマージンが発生しない。

間口(まぐち)

建物や敷地の正面から見た幅のこと。
「スパン」、「フロンテージ」などとも呼ばれています。
ちなみに、江戸時代には間口税(棟別銭)といって、間口一間あたりで課税したことがあり、税負担を何とか少なくしようと、間口を狭くし奥行きが長い、「うなぎの寝床」と呼ばれる形状の建物や「町家」が各地にできたとされています。とくに京都では今でもその名残が色濃く残っています。

マニフェスト

産業廃棄物を処分するときに必要な伝票です。
排出事業者(元請)収集運搬業者(運搬業者)排出場所(工事現場名)処分業者(処分先)廃棄物の種類を明記したものです。

マニフェスト制度

マニフェスト制度は、産業廃棄物の適正な処理を推進する目的で定められた制度のことを言います。
「マニフェスト伝票」と呼ばれる伝票に、産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などを記入し、業者から業者へ、産業廃棄物一緒にマニフェスト伝票を渡していくことにより、処理の流れを確認していきます。
この制度の目的は、社会問題化している不法投棄を未然に防ぐことにあり、処理完了が記載されたマニフェスト伝票を受け取ることで、正しく廃棄物が処理されたことを確認することが出来ます。

マニフェスト伝票

マニフェスト伝票とは、不法投棄を防止するために作られた「マニフェスト制度」に基づいた、産業廃棄物の搬出業者が廃棄物を処分する時に必要な伝票のことです。
この伝票に、産業廃棄物がどのような過程を経て処分されたかが記録されます。
このマニフェスト伝票を交付しない場合や記載内容に漏れや虚偽の記載がある場合、保存義務を違反した場合には処罰の対象となり、最悪の場合お客様までがその対象となります。
ご注意ください。

木造

柱やはりなどの主な構造部分を木材で作る建築物のことです。
軽いので土地に影響を与えにくいことと、耐震性に優れていることが特徴とされています。
しかし、部材が変形しやすいなどといった不利な点も多く、規模には制限があります。
解体後はチップ処理され、リサイクル資源として利用されています。

盛土(もりど)

敷地を造成する時に、所定の高さに平にするために、切土の土砂や他から採取した土砂などを現地盤に盛り上げることです。

モルタル

一般的に「セメントモルタル」のことをモルタルと言います。
「セメントモルタル」とは砂とセメントと水を練り混ぜたものを指します。
用途としては、レンガ、石、タイル張りの下地などに使われます。
メリットとしては、ペースト状で施工が容易であるため、広く使われています。
モルタルにはほかにも消石灰、砂、水を練り混ぜた「石灰モルタル」や、アスファルトと砂を練った「アスファルトモルタル」などがあります。

ヤ行

有害化学物質

解体工事で有害化学物質と言えばすぐに思い浮かぶのがアスベストです。
そのほかにも窓枠等にあるPCB関連や蛍光灯、残存の家電に残ったフロンガスなど様々なものがあります。
解体時にはそれぞれリサイクル法に準じて適切に処理しなければなりません。

養生(ようじょう)

解体工事現場における危険防止用等でシートで覆うことをいいます。
騒音やホコリを防ぎ、近隣の方のご迷惑を最小限にします。
また、取り壊し中の建物の部材等が落下して、隣接している家屋に被害を与えないように保護することも指します。

擁壁(ようへき)

崖や盛土の側面が崩れたり、土砂の崩壊を防止するために設けられる壁状の構造物のことです。
切土や盛土による地表面の高低差を保つために設置されます。

ラ行

罹災証明(りさいしょうめい)

地震や火事などの災害にあった場合、保険の請求や税の減免などの手続きに必要とされます。
復興の後申請しても証明されない場合もありますので手続きはすみやかに行うことをお勧めします。

立米(りゅうべい/m3)

立方メートル 1m×1m×1mの体積のこと。
解体業界では、廃材や不用品の量を体積の単位「立米」で計算されることが多いです。